NGC Ch VF 3/5 4/5 古代ギリシャ イオニア ミレトス ヘミヘクテ金貨（1/12スターテル） c.600–550 BC

紀元前600〜550年頃にイオニア地方の重要都市ミレトスで鋳造された、エレクトラム（自然合金）製のヘミヘクテ（1/12スターテル）です。これは、貨幣制度が誕生した黎明期において流通していた初期の小額金貨であり、経済活動と金属通貨の結びつきを示す貴重な資料です。

表面には左向きのライオンの前半身（lion forepart left）が描かれており、力強さと威厳を象徴するデザインが特徴です。裏面には星型状のインキューズ・パンチ（stellate incuse punch）が施されており、当時の鋳造技術とデザイン感覚を垣間見ることができます。

このような初期のエレクトラム貨幣は、鋳造地の権威と技術力、そして地域経済の活発さを象徴する存在でもあります。特にミレトスは古代イオニア世界の中心都市の一つであり、その貨幣は他地域へも影響を与えました。

第三者鑑定機関NGC（Numismatic Guaranty Company）によって真贋鑑定済みで、Ch VF（Choice Very Fine）グレード。打刻は3/5、表面状態は4/5と評価されており、黎明期のコインとしては良好な保存状態を保っています。

エレクトラム貨幣の初期形態を示す歴史的に価値ある一枚です。

6137253-006
c.600–550 BC IONIA, MILETUS EL Twelfth-Stater (Hemihekte)
Ch VF Strike: 3/5 Surface: 4/5
obv lion forepart l. rv stellate incuse punch